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2008年2月19日に新潟県上越市で開催されたNPO法人エコネット上越が主催するセミナーで「認知症と予防」と題して講演させて頂きました



  2008.3.3付け

  やっとわかった!フェルガードが「誰でもOKなの〜!」な理由
 


●フェルガードを開発した韓国サイジェニック社の社長と会う機会があった。臨床治験の中間報告会である。フェルガードは、米ぬかに多く含まれるフェルラ酸とガーデンアンゼリカ(西洋トウキ)を混ぜ合わせたもので、日本では補助食品扱いである。

●漢方薬に使われる生薬の当帰は医薬品扱いだが、ガーデンアンゼリカはまったく成分が違うので、フェルガードは医薬品ではない。ただ、間違いなく効能があるので今年から韓国では保険医薬品として医師が処方することになりそうである。アメリカ西海岸でも治験が行われ、それを導入した教授はフェルガードをすでに「未来のアルツハイマー治療薬」と呼んでいるほどである。

●私は治験を4人の患者さんに行わせていただき、少なくとも2人は明らかに改善し、甘く見て3人改善した。4人ともアリセプトが効かなかった患者である。全国で9人の専門医が 200 人近い患者で9ヶ月治験を行い、4月に最終データが出されて、医学会誌にビッグネームの医師を筆頭として投稿予定である。

●さて、アルツハイマー患者に効くことはわかったが、処方の難しいレビー小体型認知症とピック病はどうしたものかと考えあぐねてきた。当初から、きのこエスポアール病院(岡山県)ではピック病に効果があったことは効いていたので私も使ってみた。結果として、多くのピック病患者が反応した。レビーもしかりである。悲しいかな、なぜ効いたのか理論で説明がつけられなかった。

●どの患者にも効いてしまうと、逆にインチキ医者ではないかと思われそうでヒヤヒヤものである。レビー小体型については、病理的に「アルツハイマータイプ」(脳内に老人斑もあわせ持つレビー患者)もあるわけだから、その病理にフェルガードが働きかけたと考えれば効いても不思議ではない。しかし、サイジェニック社の話を聞いて、ようやく「誰でもOKなの!」とわかった(笑)。ただ、アルツハイマー患者が一番効きやすいことは想像に難くない。

●アリセプト5mgを患者が飲み続けるのも 脳へのストレス となる場合があるので、フェルガードをうまく併用していただきたい。

●アリセプトで奇跡がおきるのは、最初の1年だけ。あとから 10mg に増やしてもそこから奇跡がおきるケースは少ない。逆にアリセプトの興奮作用が出てきて中止になることも少なくない。そこで、 2 年以降は、フェルガードに置き換えてゆくのが、バランスよく認知機能を保つのにいいであろう。もちろん、アリセプトは害がなければ 5mg で継続したほうがよいのだが、 2.5mg 以下でないと食欲低下、興奮がおきる患者なら中止してよい。(もちろんレビー患者は 1mg であっても継続する価値はある)。

●フェルガードは当初、老人斑の形成を阻止することが注目されて アルツハイマー型の特効薬 を思われたが、きのこエスポアール病院からピック病にも効くことが報告され、自験ではレビー小体型にも効くことが確定的となった今、サイジェニック社社長から「なぜ効くのかを知りたい」と言われた。

●現在のところ考えられるのは、アルツハイマー阻止に働くのがフェルラ酸(米ぬか成分)で、アルツハイマー以外の脳障害にも効く可能性があるのは、ガーデンアンゼリカなのであろう。こんなケースがあった。フェルガードに過敏性を持つ患者が、フェルガードで初日から興奮したが、フェルガード 100 に切り替えたところ、最初の 10 日間は興奮せずその後興奮したのである。両者に差があるのはガーデンアンゼリカだけなので、興奮性が出やすい患者(ピック病、レビー小体型)はガーデンアンゼリカが 20% に抑えてあるフェルガード 100 を第一選択としたほうが無難だということになった。

● ほとんどの認知症はフェルガードでよいが、 予防用、ピック病、レビーはフェルガード 100 で始めて効果がでなければ3ステイックに増やせばいいだろう。

●重症ピック病でフェルガード2ステイックで他患者を引き倒すなどの興奮性が出たが1ステイックでちょうどよくなった。昔にもどったかのようにぺらぺらしゃべることがある。ボキャブラリーも増え、喜んだ主人が家に迎え入れると言い出したほどである。

●大声で叫んでいたピック病がかなり多くの抑制系で制御され、ホームでは奇跡の症例といわれているが、最近誤嚥が増え、フェルガードを開始したところジュースを飲めるようになり、感激した娘さんが写真を撮ってきてくれた。

●幻覚、妄想の強かった典型的なレビーで、フェルガードによって化粧して微笑んが外来に来てくれた。

●レビーの姉妹例でどんどん寡黙になり猫背になっていったときにフェルガードを導入して歩くようになって骨折してしまったが、2週間で元気に退院し、毎日楽しく自分からしゃべってくるようになった。現在1ステイックで維持している。

●このように、ガーデンアンゼリカがピック病やレビーの前頭葉でニューロンを急激に伸ばすために、「誰でもOKなの!」ということになるが、レビーの場合は老人斑を持った患者(アルツハイマータイプ)もいるということなので、そちらにフェルラ酸が働きかけている面もあるだろう。

●はじめアルツハイマーだと思ってアリセプトを 1.5mg → 2.5mg と増やしていった方だが、よく転ぶようになったとの情報で私はレビーの可能性を考え、家族に「この方の進行を止める方法はフェルガードしかない」と断言し、すぐに導入できた。その後すぐに歩行が改善し、よだれが減ったのだが、たまたま肺炎で入院し、入院中に初めて幻視が出た。ここで誰でもレビーと気づけるだろう。私はアリセプト少量からのセンサリングで幻視が出る前に患者のレビーに気づけたので、中核症状担当をアリセプトからフェルガードに移せた。

●退院後彼はニンテンドー Wii のゲームがますます上手になり、外来では会心の笑いを見せてくれたのである。

アリセプト 10mg とフェルガードで成功したレビー
3日前に診察していただいたUです。診ていただいて本当に良かったと思いました。母が首を亀のように出すのを、ちょっと前から気になっていました。メールで相談させていただいたのですが、やっぱり直接診ていただかないと分からないなと思い診察していただきました。

●診ていただいた前日は「歩きにくい」と言ってとぼとぼ歩いていました。これはもうパーキンソン様の副作用が出たのかな、ダメかなと思っていました。それが、副作用は出ていなくて、アリセプトも少し減らして良い、おまけに 改訂長谷川式テストも 19.5点に上がって いて、本当に良かったと思いました。5月は18点、10月には12点だったので、9月から飲み始めた フェルガード が効いてきたのか、11月からアリセプトを10mg に増やしたのが良かったのか、その両方なのか、とにかく良かったです。

●点数ほどの差は感じませんが、一時いつも行っている近所の医院にどうやって行くのかと不安がっていたことがありました。それがアリセプトを増やした頃から自分でも「頭が少しすっきりしてきた」と喜んでいました。母は診ていただいて、テストも良くなっていたので、とても喜んでいます。

帰りは、共和駅まで歩いて帰りました。 今のところ自分のことは自分で出来るし、私と生活していて困ることはありません。今まで幻覚や怒りっぽさなどもありません。日帰り旅行にも行けます。このままの状態が少しでも長く続くことを願っています。先生のおかげです。本当にありがとうございます。